渡辺明王将に羽生善治三冠が挑戦する第63期王将戦七番勝負が開幕。第1局は1月12、13日に静岡県掛川市「掛川城 二の丸茶室」にて行われた。振り駒の結果渡辺先手で始まった本局は、両者の対戦でも非常に多く指されているがっぷり四つの相矢倉となった。45手目▲2五桂からの仕掛けは最近になって見直しが図られており、公式戦でも数多く現れている。以降前例のある手順が続き、87手目▲6六桂まで同一局面のある展開になった。
封じ手となった88手目の△6九銀が、自身が指した実戦例を改良した羽生の新手。既に局面は終盤を迎えており、先手の堅陣を活かした攻めが続くかどうかの勝負となった。ハイライトとなったのは121手目▲7七金の局面。ここで△5五角といったん角を引いておけば難解な局面が続いていた。本譜は△8五桂から一直線の変化となり、最後は先手玉が詰むかどうかの勝負となったが、自玉の不詰めを読み切った渡辺が見事に逃げ切った。王将戦開幕局を勝利した渡辺が防衛へ向けて幸先の良いスタートを切った。
本局の立会いを務めた田中寅彦九段が出演する徹底解説番組「第63期王将戦七番勝負」は
囲碁・将棋チャンネルで2月19日(水)午後10時~より放送。 |