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2014.06.23

第1回 十人十色、対局前の準備


対局に必要な準備は人それぞれ。
奥で対局している棋士は、2リットルのペットボトルを持ち込んでいる。
※写真をクリックすると拡大写真が表示されます

 みなさん、はじめまして。囲碁・将棋チャンネル記者の文月と申します。これから、隔週でコラムを書いていきたいと思います。ライトな話題からちょっとマニアックな話題まで、プロ棋界・アマ棋界問わず幅広く書いていくつもりです。どうぞお付き合い下さい。一回目のテーマは「対局前の準備」。

 みなさんは、対局を始める前に何か準備をすることはありますか? 例えば、お手洗いで顔を洗って気合を入れるとか、席に座って瞑想するとか……頭の中で作戦を考えるというのも準備の一つと言えるかもしれませんね。
 それでは、プロ棋士の方々はいったいどんな準備をしているのでしょうか。まず、対局室に少し早めに入って集中力を高める。これはほとんどの棋士がやっていることです。たまに、対局開始前後に慌てて駈け込んでくるケースもないわけではないですが……おっと、これ以上は止めておきましょう。
 それから、腕時計を外して脇に置く棋士も多いです。わずかでも締め付けられている感じが気になるということでしょうか。対局中は非常に繊細になるのかもしれません。
少し、いやかなり個性的なのが窪田六段。悠然と席に着くなり鞄から何やら怪しい機械を取り出してスイッチを入れます。その正体はイオン発生器。その他にも扇子はもちろん、飴やタブレットのようなものや魔法瓶など、次から次へと鞄から出てきます。もしかしたら鞄の中は四次元ポケットなのかもしれません。そんな冗談はともかく、できるだけ環境を整えて、納得のいく将棋を指したいという気構えを感じます。
 個性的と言えば、加藤九段が対局前に将棋盤の位置を変えるというのは有名な話かもしれません。もう何年も前のことになりますが、加藤九段がもはや部屋の隅と言ってもよいくらいの位置まで盤を動かす場面に立ち会ったことは、僕の中で強烈な思い出として残っています。もっとも、最近では以前ほどは動かさなくなったようです。
 このように、一言で対局前の準備と言っても人によっていろいろあります。その全てが、良い将棋を指すためのものなのです。皆さんも、良い将棋を指すために自分流の準備を模索してみてはいかがでしょうか。


 当コラムは、二週に一度のペースで更新していく予定です。

また、皆様のご意見ご感想、取り上げてほしい題材などお待ちしております!お問い合わせメールフォームよりお送りください。

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