2014.09.19
第6回 アマチュア銀河戦沖縄大会レポート |
8月31日、午前9時。主催の沖縄ケーブルネットワークの方々と共に会場入り。会場に着くとケーブル局の方々も、主管の沖縄県連の方々も、みんなアロハシャツ。その中で一人だけスーツを着てきた僕は、ずいぶんと目立ちます。来年は僕もアロハシャツで来ることを心に決めつつ、せめてもとこっそりネクタイを外しました。
打ち合せの次は準備に入るのですが、他の大会と比べるとのんびりペース。ふと時計を見ると、開会時刻をとっくに過ぎています。ケーブル局の方に「時間がだいぶ押しているようですが……」と聞くと、きっぱりと「これが沖縄タイムです」。参加者の皆さんもいつものこととばかりに思い思いに過ごしています。いつも大会開始前にバタバタしている身としては、うらやましい限りではあります。
時刻通りではないものの、続々と参加者が集まりいよいよ対局開始。沖縄県代表を決めるS級では、昨年の覇者である桑江さんを誰かが止めることができるかどうかに注目が集まりますが、やはり長丁場。代表が決まるのはまだまだ先のことのようです。
一方ジュニアの部はハイペースで進みます。参加者全員が三段以上(!)というハイレベルな戦いを制したのは、昨年に引き続き新崎良斗くん。小学5年生の新崎くんは、普段は宜野湾将棋道場で腕を磨いています。先日アマ名人を獲った城間さんに教わっていて、平手で勝ったこともあるそうです。今日の大会を振り返って「昨年より内容が良かったので、価値のある優勝と思います」と、まるで大人のようなコメントをくれました。
やがてS級も決勝戦。決勝に残ったのは、琉球大一年生の米谷さんと、やはり桑江さん。米谷さんが上手く指しまわし、大優勢を築いたまま終盤戦へ。これは世代交代か?色めき立つギャラリーですが、そこから桑江さんのものすごい粘りが始まります。少しずつ差が詰まり、ついに逆転。桑江さんの二連覇となりました。
桑江さんはこの大会のために宮古島から来たそうで、普段はネットで指しているとのこと。沖縄代表としての意気込みを伺うと「勝ち残って銀河戦に出たい」。そう、このアマチュア銀河戦は、全国大会の上位2名がプロ公式戦の銀河戦に出場できるのです。「最後にこれだけは言っておきたいのですが」と桑江さんは続けました。「日頃支えてもらっている妻に感謝しながら、お腹の中の子供にも誇れるよう、一局一局大切にし、自分の持ち味を発揮したい」
さて、表彰式が終わるとものすごい勢いで片付けが始まります。朝ののんびりペースが嘘のようです。やや面食らっていると、誰かが「早く打ち上げに行きたいから急いでるんですよ」と耳打ちしてくれました。なるほどと納得している間にも片付けは進んでいきます。朝の遅れを取り戻し、結局定刻通りに終了。恐れ入りました。
大会の撤収作業を終えて外に出ると、ケーブル局の方が「見てください、夕日が沈むところですよ」と教えてくれました。見ると、写真で見るような美しい光景が広がっています。この光景をコラムに載せようかな。そう思って急いでカメラを構えた時にはもう日が沈みきっていて唖然。という訳で、この光景をお伝えすることはできなくなってしまいました。無念。
こうして大会も終わり、楽しい打ち上げへ。……しかし、翌日は月曜日。僕は東京に戻らなければならず、そのための飛行機の時間が迫っています。後ろ髪を引かれながらも打ち上げを早々に失礼し、僕は沖縄を後にしたのでした。
沖縄代表となった桑江裕丈さん。奥様から妊娠の報告を受けたばかりとのこと。おめでとうございます。 |
超ハイレベルの戦いとなったジュニアの部。激戦区を制したのは新崎良斗くん。 |
※ご存じでない方は公式HP http://www.igoshogi.net/shogiCATV/ginga2014/ をご覧ください。
当コラムは、二週に一度のペースで更新していく予定です。
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