2016.9.1
第29回 詰将棋はなぜ面倒なのか |
詰将棋をやったことがない方はいないはずですが、詰将棋が好きな人となると、これまた話は別。たいていの人は詰将棋が嫌いなものです。嫌いというよりは、よく聞く意見が「面倒くさい」。これは初心者に限らず、アマ強豪やプロでさえそういう方は少なくありません。
何が面倒なのでしょうか。まず、詰将棋は実戦での詰みと比べると、比較的難しく作ってあるものです。持ち駒は決して余ることはなく、正解は一つだけ。常にギリギリで詰まさなければならないのです。
相手の最善手を考えなければならないのが詰将棋の難しい所。場合によっては相手の応手が5通り、6通りにもなるケースも。
実戦経験が豊富な方はうなずかれると思いますが、そもそも相手の最善手を探すという作業はとても大変なこと。それに、自分にとって都合の悪い局面を想像することにもなるので、疲れるし、ストレスもたまります。
詰将棋というのは、いわば自分と相手の最善手を交互に探し出す作業の積み重ねです。読みの力と精神力は鍛えられるでしょうが、やはり楽ではないでしょう。
そもそも、多くの方は将棋を楽しむために指すわけですから、そこまで苦労して詰将棋をたくさん解く必要はないでしょう。よく「上達のためには一桁手数の詰将棋を解くこと」という話を聞きますが、裏を返せば二桁手数の問題は必須ではないということ。よっぽど詰将棋が好きな方ならば話は別ですが、最低限の解答力だけ身につけておいて、後はひたすら実戦という方が、精神衛生上良いのかもしれませんね。
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