第67期以来、4期ぶりに谷川浩司九段が降級の危機に立たされている。昨年末に亡き米長邦雄永世棋聖の意志を継いで日本将棋連盟会長に就任した谷川。だが、現役プレーヤーとして年明け早々いきなりの試練に立たされた。この最終戦、勝てば堂々の残留、負けても競争相手の高橋・橋本が共に敗れれば残留できる。が、もちろん本人としては勝って残留を決めたいところであろう。あるいは心境としては自身の棋士人生を懸けて臨む気構えでいるのかもしれない。
一方、既に残留を決めている屋敷伸之九段にとっても、本局は来期の順位を決める重要な一戦。また、彼には前期のA級初参加から今期ここまで先手番9戦全勝・後手番8戦全敗という不思議なデータがある。確かに将棋は先手番が若干有利であるといわれているものの、ここまで極端に傾くのは稀中の稀であろう。
果たして屋敷の先手番が決まっているこの最終局、谷川が勝って残留を決め、A級在籍連続記録を32期に伸ばすのか? それとも先手番の利を誰よりも最大限に生かしている屋敷が本局も制するのか!? 谷川にとってかつてないほど大きな意味を持つ戦いの火ぶたが今、切って落とされる!!
※順位戦および名人戦についての詳細は、日本将棋連盟のサイトをご参照ください。