並行して王将防衛戦を戦っている佐藤康光王将と、初のA級残留を目指す深浦康市九段との一戦。…「初の」というのも、彼には何とも不名誉なジンクスがあるのだ。
A級通算4期目の深浦だが、なんとそれまでの3期は、いずれもいわゆる「頭ハネ」(=リーグ戦を同じ勝敗数で終えながら、順位の差で降級してしまうこと)を喰らっている。この最終局に勝てば念願のA級残留、負けても谷川・高橋・橋本の内2人が敗れれば残留と数字上は自身に有利な状況となっている。が、ここは何としても勝って堂々の残留を果たしたいところであり、この一局に懸ける思いはある意味誰よりも大きいだろう。
一方の佐藤は既に残留を決めており、本局は来期の順位を決める一戦。王将戦では渡辺相手に苦戦を強いられ、1勝3敗ともう後がない状況に追い込まれてしまっているが、月が替わって早速のA級順位戦最終局、ぜひとも勝利してリーグ勝ち越しで終え、自身の流れを変える一局にしたいところ。
果たして、深浦は自らの手でジンクスを打ち破ることができるのか!? 本局もまた見逃せない!!
※順位戦および名人戦についての詳細は、日本将棋連盟のサイトをご参照ください。