ホーム / 将棋 / 将棋スペシャル / A級順位戦リーグ最終局 将棋界の一番長い日 完全生中継 / 森内俊之九段 vs 行方尚史八段
羽生善治名人への挑戦権を懸けた第73期A級順位戦もいよいよ最終決戦の時を迎えた。
最終戦でA級1位の森内俊之九段と2位の行方尚史八段の対決となったが、今期リーグにおいて両者は見事に明暗が分かれた。行方はリーグ開幕から順調に白星を積み重ね、挑戦者争いを引っ張ってきた。そして、2月6日に行われたA級ラス前の深浦九段との一局では、相入玉となり壮絶な点数争いと化した死闘を271手の末勝利。羽生名人への挑戦者へ最も近い位置で最終局を迎えた。本局に勝利すればプレーオフ以上が確定し、更に久保九段が敗れれば名人初挑戦が即決定する。敗れてもプレーオフの可能性は残るが、ここは勢いそのままに勝利し、最高峰の舞台へ立つための弾みを付けたいところだ。
一方、森内はリーグ出だしこそ連勝スタートしたものの、その後は思うように星を伸ばせなかった。…いや、それどころか今、降級の危機に立たされてしまっている。本局に勝利すれば残留が決まるが、自身が敗れ、かつ三浦九段が勝利するとB級1組への降級が決まってしまう。長い歴史を誇るA級順位戦の中で、前名人であった者が次期でいきなりB級1組へ降級した例は過去一度もない。更にこのままでは、今年度を竜王・名人として迎えたにもかかわらず、無冠となった末に降級というこれ以上ない屈辱的な1年へとなりかねない。まさに崖っぷちに立たされている森内、不名誉な称号を得ないためにも本局に己の全てを懸けて臨む。